Netflixのオリジナルドラマまたの名をグレイス(原題:Alias Grace)は、1843年にカナダで実際に起こったショッキングな事件を元にした、文学賞に輝くアトウッドの最高傑作ともいわれるカナダ人作家マーガレット・アトウッドの長編小説のドラマ化です。
またの名をグレイスのあらすじ
19世紀のカナダ。
貴族の主人と、女中頭のナンシーが遺体で発見。犯人は使用人の男女で、しかもナンシーが主人との子を妊娠していたということでセンセーショナルな事件として大きく扱われました。
犯人である使用人の男はマクダーモットといい、絞首刑に。マクダーモットは死の瞬間までもう一人の使用人であるグレイスにそそのかされてやっただけだと叫んでいました。
薄幸の美少女グレイスに事件当時のことを尋問するも、記憶がないと答えるばかり。
記憶にない殺人の罪に問われたグレイスは、処刑は免れたものの15年もの間投獄されています。
精神病院に入れられ、看守による嫌がらせを受ける日々のグレイスの元に、ある日一人の若い男性が訪れます。その男性はジョーダン医師といい、精神科医としてグレイスの精神鑑定のためのやってきたとのこと。人権派によるグレイス救済のため、できるだけ釈放の材料になる報告書を頼まれている様子。
初めての面談の日。ジョーダン医師は一目グレイスを見て、世間で騒がれている「女殺人犯グレイス」とほど遠いイメージの乙女だと感じ、グレイスも若く美男子で落ち着いたジョーダン医師が気になります。
面談は毎日、グレイスが女中仕事を任せらている邸宅の一室で数時間行われます。清潔なメイド服に着替えて、得意の針仕事をしながら、グレイスの身の上話が語られます。
極貧の幼少時代、母の死、父の虐待、グレイスから語られる物語は序盤、壮絶なものばかり。ですが、苦難を乗り越え、女中となり初めての親友メアリーとの日々も語られるように。
グレイスはジョーダン医師が飽きることなく面談を続けるように、身の上話を巧みに繰り広げ、ついにジョーダン医師は儚げで美しいグレイスとのロマンスを夢想するようになっていきます。
グレイスは本当にマクダーモットをたぶらかして、主人と女中頭を殺害したのでしょうか?
面談後にジョーダン医師により釈放され、少しでも幸せになれるのでしょうか?
グレイスの語る、彼女の壮絶な人生の物語が始まります。
またの名をグレイスのキャスト
グレイス (サラ・ガドン)
サラ・ガドン(Sarah Gadon)演じるグレイスは、女殺人犯。
ジョーダン医師 (エドワード・ホルクロフト)
若き精神科医
親友メアリー (レベッカ・リディアード)
レベッカ・リディアード(Rebecca Liddiard)演じる親友メアリーは、グレイスの女中仲間でお姉さん的存在。
女中頭ナンシー (アンナ・パキン)
アキナ・パキン(Anna Helene Paquin)演じる女中頭ナンシーは、主人に取り入り、女主人のように振舞う。
行商人 (ザッカリー・リーヴァイ)
ザッカリー・リーヴァイ(Zachary Levi )演じる行商人は、グレイスの理解者。不思議な力を持つ。
またの名をグレイスの感想
主演のサラ・ガドンは「世界でもっとも美しい顔TOP100」の常連という美貌の持ち主で、物語中では、幼少のころから老年期までを演じていますが、正直年齢不詳です。ため息が出るような透明感の持ち主で、こんな控えめで美しい美少女がまさか殺人なんて?と思わせるグレイス役にはまさにピッタリだと思います。
こんな美女なら、まわりの男性をたぶらかすことくらい簡単でしょうが、グレイスはあくまでも清廉潔白で、事件の記憶がありません。
物語が進めど、最後の最後までグレイスの真実が読めない展開に、本当にこんな不憫な女性は必ず幸せになって欲しいと願うばかりです。
女中頭ナンシー役のアンナ・パキンは「ピアノレッスン」の天才子役として、または「X-MEN」のローグ役でも有名です。今回はなんともいけ好かない役を演じていますが、こういう女性いるよね、と納得させる抜群の演技力もみどころです。
キーパーソンの行商人役のザッカリー・リーヴァイは「CHUCK/チャック」の主人公でおなじみのイケメン。
親友メアリーとの少女らしい日々。ほんの短い間でしたが、グレイスにとって一番輝いた時代で、その後の事件へとつながる重要な入口になります。
メアリーとした恋占いで結婚相手のイニシャルが分かりますが、その結婚相手とは誰なのでしょうか?
そこはネタバレしたくないので、ぜひ「またの名をグレイス」でお楽しみください。